【Apple】いまさらだけど新しいMacBook(12インチ)を半年使ったレビュー
MacBook
去年の2015年7月に12インチの新しいMacBookを購入した。 迷いに迷って買った。 半年ほど使い込んだ感想として、やはり人を選ぶパソコンだ。 しかし、用途にしっかりハマれば、必ず満足できる製品だ。 今更だが、半年使ってみた感想を書いてみる。
MacBookを選んだ理由
まず私の購入前の状況と動機は以下のとおり。
- メインPCはWindows。Macは使ったことがない。
- iPhone5とiPad、iPad miniを所有。
- Linuxはある程度慣れており、Ubuntu、CentOSを利用した経験あり。
- 自宅から長時間離れることがよくあり、持ち運びできるノートPCが欲しかった。
- 欲を言えば高スペックが欲しいが、優先されるのは軽さ。
- 写真編集がしたかったので、画面は綺麗なほうがいい。
- アプリ開発、コードの編集など、ある程度開発用として使えるパソコンが欲しかった。
MacBookを選んだ理由は以下のとおり。
- 軽さと薄さ(持ち運びやすさ:920g)
- 画面の美しさと大きさ(Retinaディスプレイ)
- 外観・見た目
- 開発用途でもそこそこ動くスペック(標準でメモリ8GB、SSD容量256GB)
- トラックパッド
最後までMacBookを選ぼうかどうか悩んだ理由、さらに使ってみて気づいた欠点は以下の通り。
- 処理能力不足(CPUは1.1GHz)
- 価格(標準で148800円[税別])
- 発熱
- 拡張性
軽さと薄さ
これはもう申し分ない。 920gは十分軽いが、最近のノートPCの中では一番軽いわけではない。 だが、その薄さも伴って、持ち運びの際に苦になることはほとんどない。
どこにでも気軽に持ち運べるというのは、非常に大きなアドバンテージだ。 常に持ち歩いても気ならないし、どこでもPCを開いて作業できることで、活動の幅が大きく広がる。
私はリュックに入れて持ち運んでいる。 背中に背負うと、その重さはほとんど感じない。
持ち運びの際には、以下のケースに入れている。 これが、MacBookとの相性が非常に良い。 正直なところ、このケースがないと傷が怖くてMacBookを持ち歩けない。 このケースがあるからこそ、安心して持ち運べるし、逆にいうと心配性の人にとってはケースも含めてMacBookという形になるだろう。
このケースの良い点は、ケースの開閉部分がマグネットになっていることだ。 ケースの難点は、出し入れのめんどくささだが、マグネットのおかげでそこに苦を感じることはない。 もう一つの利点は、このケースをMacBookの下敷きとして利用できる点だ。MacBookは結構発熱するので、膝にのせて作業する際は、このケースは割りと重要になる。
画面の大きさと美しさ
これはもう店頭でMacBookAirと見比べて貰えば一目瞭然だ。 私は最初MacBookAirを買う気まんまんだった。だが、店頭でその画面を比較して愕然とした。両者を比較してしまうと、MacBookAirの画面はノイズがかかったように見えてしまうのだ。
さらに言うと、MacBookは画面の解像度が2,304 x 1,440ピクセルとなっており、単純に作業領域が大きくなる。 画面が大きく、更には高解像度のため文句の付け所がない。
外観・見た目
またもやこれも店頭でMacBookAirなどと比べると一目瞭然。 カラーの展開も含めて、その見た目に惚れる人も多いだろう。というか見た目特化のPCであることは否めない。 (あるいみ、見た目重視すぎて、そぎ落としすぎのデメリットもある)
開発用とでもそこそこ動くスペック
持ち運び用として、かつある程度価格を抑えるために、スペックを犠牲にすることは仕方ないと諦めていた。 ただ、実際に使ってみると、ある程度は動いてくれる。 ネットは当たり前に快適に動くし、写真の閲覧やテキスト入力などの面では全く問題ない。
ただし、コードのコンパイルやXcodeを動作させる場合、Lightroomでの写真編集は、やはり辛いところがある。 私がよく使うのはLightroomだ。高スペックのPCと比較すると、若干もっさりしてしまうが、とんでもなくイライラすることは少ない。 私の場合、旅行などの出先で撮った写真を、ホテルですぐに編集しておきたいときに重宝しているが、数枚の加工ならばすぐに済ませてしまえる。
あとはVirtualBoxでUbuntuを動かしてみているが、やはり快適には動作しない。 ターミナルの入力の際にももたつきを感じるので、OSXとLinuxを並列に動かしてスイッチングする、というような用途は難しいだろう。 少しLinux環境での動作テストや、勉強のためにUbuntuが動く環境を用意しておくなどの用途には十分耐えられる動作だ。
トラックパッド
これはMacBookを初めて購入する人間は誰しも口をそろえてトラックパッドを褒め称えるので、今更私が言及するのも何だが、やっぱり素晴らしい。 MacBookでは初めて感圧式を採用しており、クリック感は内部のモーターで再現されて指先にフィードバックされる。 この感圧式は非常に使いやすい。
MacBookAirなど、トラックパッド全体がスイッチのようになっている場合、クリックするとトラックパッド全体が沈みこむ感じで、指先がふわふわして安定しない感じがあった。しかし、感圧式では、実際にはトラックパッドが沈みこむことなく、そのクリック感だけが指先に伝わってくるので、非常に安定した感じがある。
これは感覚の問題でおあるので、使いやすいと感じるかどうかは個人差があるかもしれないが、私の場合にはこのトラックパッドのおかげで、カーソル操作が非常に正確になったように思える。
あとは”強く押しこむ”ことで、さらに普通のクリックとは別操作が可能である。さらに指を複数本使ったマルチタッチでの”強く押しこむ”も感知できるので、操作の幅が大きくひろがる。 これは自分でカスタマイズを行うことで、非常に強力な機能となる。
MacBookユーザにはお馴染みだが、トラックパッド上での動作を各種アプリケーションでの動作に割り当てる”BetterTouchPad”を使う。 BetterTouchPadでは、”強く押しこむ”にも対応している。 私の場合は、ブラウジングの操作において、”新しいタブで開く”を二本指をリンク上で強く押しこむことで行うように設定している。 また、通常のデスクトップで、指4本を強く押しこむことで、ターミナルを開くように設定している。
これ超便利!
処理能力不足
これは前述したが、カスタマイズなしのCPUではやはりスペック不足は否めない。 ただ、それは高負荷なゲームや編集ソフトを使う場合の問題である。
MacBookはなんでもこなせるノートPCには成り得ないだろう。あくまで、外出先でも使えるサブ機にとどまる。 なので、ゲームもリッチなアプリ開発も行えるメインPCを求めている人には合わないだろう。
価格
これは高く感じるかどうかは個人差があるかもしれない。 MacBookAirと比較すると、割高な気もするが、SSDとメモリのスペックを考えると、意外とそこまで高いわけでもない。 MacBookAirのメモリを4GB→8GB、SSDを128GB→256GBに変更した場合の価格を比較して見る。 ついでにMacBookPro(SSD256GB,メモリ8GB)も並べて比較する。
バージョン | 画面サイズ | 値段 | CPU |
---|---|---|---|
MacBook Air | 11inch | ¥138,800 | 1.6GHz IntelCore i5 |
MacBook Air | 13inch | ¥172,800 | 1.6GHz IntelCore i5 |
新しいMacBook | 12inch | ¥148,800 | 1.1GHz IntelCore M |
MacBook Pro | 13inch | ¥178,800 | 2.3GHz IntelCore i5 |
こうやって比べてみると、MacBook(12インチ)のRetina画面とSSDとメモリのスペックを考えると、他のシリーズと比べてもそこまで高いわけでもない、 正直、容量は256GBないと厳しい。またメモリも8GBはほぼ必須だ。 そう考える、どのMacBookを買うかどうかは、画面とCPU性能と重さの問題になる。
どのMacBookを選ぶかとしたら、だいたい以下の様な基準になるだろう。
- 11inch(Air): とにかく小さくて持ち運びやすく、CPUもそこそこ動くのが欲しい。画面の大きさ気にしない。
- 13inch(Air): 解像度は気にしないが、画面が大きくて持ち運びやすく、CPUも能力が高いのが欲しい。
- 12inch : 高解像度の画面が欲しくて、持ち運びやすいのが欲しい。CPUの能力はさほど重要でない。
- 13inch(Pro): 高解像度の画面が欲しくて、持ち運びはあまりしない(重くても大丈夫)。CPUの能力が一番大事。
バージョン | 画面 | 携帯性 | CPU性能 |
---|---|---|---|
MacBooc Air 11inch | △ | ◎ | ○ |
MacBooc Air 13inch | ○ | ○ | ○ |
新しいMacBooc 12inch | ◎ | ◎ | △ |
MacBooc Pro 13inch | ◎ | △ | ◎ |
発熱
MacBookの一番のネックを上げるならば、発熱だろう。 MacBookではファンレスを採用したため、非常に動作が静かで、iPadのような感覚で扱うことができる。 その分、熱を逃がす方法が本体のアルミ筐体からしかないので、高負荷な動作をさせると本体底が非常に熱くなる。
その熱さは一番高負荷な処理をさせている場合には、生身の膝の上には絶対に置けないぐらいである。 なので、短パンでMacBookを膝の上において扱うのはおすすめしない。
そのため、前述したがひざ上で作業する場合には、ケースを下敷きとしておいている。 また、発熱を管理するために、”Macs Fan Contorl”という駐在アプリを導入して、あまりも高温になっていないか監視するようにしている。
拡張性
発売前から話題になっていた、USB-Cポートが一つのみという設計。 できれば2つ付けて欲しかった。なんなら、イヤホンジャックをなくして、その場所につけてくれよと思うぐらい。
ただし、正直USBを頻繁に使うことはないので、そこまで苦労しない。 充電についても、バッテリーが非常に長くもつので、充電しながらUSBも繋げたいという場面は、正直あまりない。
ただ、下記のUSB-CからUSB-Aへの変換アダプタは必須だろう。
総評
どこにでも持ち運べるサブノートPCを探していて、かつMacBookのデザインに一目惚れしたならば、MacBook(12インチ)は買いだろう。 逆に、メインで使えるノートPCを探していて、持ち運びは気合でなんとかする場合には、MacBookProが良いだろう。ただ、その場合SSDとメモリをMacBook(12インチ)と同等にする場合には、多少値が張ることになる。